エケベリア ラウイ 神秘的なホワイトブルームが魅了する

美しい
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エケベリア・ラウイとは

ラウイ──その名を耳にするだけで、少し背筋がしゃんと伸びる。
粉雪をまとうような白銀の葉、うっすらピンクの花茎がゆるやかにカーブして、まるで空に小さな物語を描いているよう。
「美しすぎる多肉植物」と呼ばれるのも、納得の気品と存在感。

基本情報

  • 分類:ベンケイソウ科エケベリア属
  • 学名:Echeveria laui
  • 原産地:メキシコ・オアハカ州
  • 成長タイプ:春秋型(夏と冬はやや休眠気味)

ちなみに、ラウイという名前は、
この植物を記録・採集したメキシコの植物学者、
アルフレド・ラウ博士
にちなんでいます。
その手で発見され、世界に届けられたラウイ──
博士の名前を借りて、原種は今もなお私たち多肉植物愛好家を魅了しております。

ラウイの魅力とは?

なによりも、その純白の〈葉色〉に心を奪われます。
淡く、でも確かに温度をもった白。ときおり陽を浴びてほのかに青みがさし、
葉にまとった〈白い粉(ブルーム)〉の繊細な質感がつくる魔法。
そのホワイトとピンクの神秘的な美しさが、ラウイの大きな魅力。

ただし、日照が足りないとその幻想的な白が薄れ、
全体がうっすらと緑っぽくなってしまうことも。
さらには、間延びして軸が伸びる〈徒長〉も起こります。

ラウイは、陽光を味方にしており、その強烈なブルームにより守られ、強烈な光は必要以外ははね返す──そんな植物なのです。

花と香り

ラウイは、春〜夏にかけてゆっくりと花芽を伸ばし、
まるで踊るような曲線を描きながら、ピンクの蕾を開かせます。
やさしい色合いのシルキーな小花が咲く姿は、まるで〈雪の精〉が微笑んでくれているよう。
香りはほとんどありませんが、その〈静けさ〉こそがラウイの詩なのかもしれません。

育て方のコツ

  • 日光:風通しのよい明るい半日陰〜直射日光(夏は遮光)
  • 水やり:春秋は用土が完全に乾いてから。夏冬は控えめに。
  • 用土:水はけ重視。多肉植物用の土か、赤玉+鹿沼+軽石ブレンド
  • 植え替え:2年に1回程度、春または秋
  • ポイント:葉の白い粉は絶対にこすらないで。触れるだけでも取れてしまう繊細さ。

ラウイの葉にまとう白い粉〈ブルーム〉には、
大切な役目があります。

それは──強い日差しをやさしく反射すること。
ブルームがあることで、ラウイは直射日光にもある程度耐えられるのです。
とはいえ、夏の熱気と湿気にはとても弱いため、
真夏の水やりには特に注意し、通風よく遮光ネットなどで調整しましょう。

ラウイは、涼やかに光をまとう植物。
“光は好き、でも蒸れはちょっと苦手”…そんな風に感じているようです。

えんちょのひとことメモ

ラウイの育成でいちばん大切なのは「触りすぎないこと」。
その美しさに見とれてつい手を伸ばしたくなるけれど、
粉を落としてしまうと、元には戻りません。

わたしは、朝のやわらかな光の中でラウイを見るのが好きです。
ふっと、心の中に静けさが広がっていくようで。
ラウイは、育てるというよりも、そっと見守る植物なのかもしれませんね。

ちなみに──
ラウイの葉挿し、実は何度も挑戦してきましたが、
えんちょは一度も成功したことがありません。

葉をもいで挿しても根が出る前にしぼんでしまう。
粉が繊細すぎて水分調整がうまくいかないのか。
そしてなにより、ラウイ自身が「挿し木で増える植物」ではないような気配をまとっているのです。

だからこそ、ラウイという存在がとても特別で、希少で、
そばにいてくれること自体が、すでに奇跡なのかもしれません。

葉の裏に筋が見える
葉はロゼットを描く
花も花芽も美しい。
虫食いが残念。
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この記事を書いた人

多肉植物の栽培を始め苦節九年当時、ストレスの多い現代社会に苦悩していた中....

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