目次
1. 姫紅小松とは
風にそよぐ松のような葉。ちいさな手のひらにおさまるほどの、けれども深い存在感。
姫紅小松(ひめべにこまつ)は、南の乾いた大地からやってきた、ちいさな自然のオブジェのような多肉植物です。
ほんのり紅を帯びた葉先と、ごつごつとした根塊のコントラスト。その姿はまるで、静けさの中に芯をもつ小さな盆栽。
部屋にそっと置いておくだけで、時間がゆるやかに流れるような気さえしてきます。
2. 基本情報(分類・属名・原産地など)

- 学名:Trichodiadema bulbosum
- 和名:姫紅小松(ひめべにこまつ)
- 科名:ハマミズナ科(Aizoaceae)
- 属名:トリコディアデマ属
- 原産地:南アフリカの乾燥地帯
- タイプ:塊根植物(コーデックス)・多肉植物
3. 魅力とは?

姫紅小松の魅力は、時間の流れが刻まれたような根の質感と、ちいさな葉が紡ぐ繊細なバランス。
葉の先にはふわりと白い毛があり、光を受けるとほのかに煌めく姿は、まるで雪の結晶のよう。
可愛らしさだけでなく、どこか静謐で大人びた雰囲気を漂わせる、不思議な佇まい。
「かわいい」だけじゃもの足りない、そんなあなたに寄り添う存在です。
4. 香りと花

春の終わりから初夏にかけて、姫紅小松はそっと花を咲かせます。
ピンクや紅色の花は、陽ざしの中でふわりと開き、ちいさな命のリズムを奏でます。
香りは持ちませんが、咲いた一輪が、空間の空気を変えるようなそんな力を秘めています。
花が終わったあとにも、静かな余韻が残る――そんなタイプのお花です。
5. 育て方のコツ

- 日当たり:明るく風通しのよい場所を好みます。日差しが葉の輝きを引き立てます。
- 水やり:春と秋にやさしく、夏と冬はお休みモード。控えめがちょうどいい。
- 用土:水はけの良い土を選び、根をやさしく包んであげて。
- 植え替え:2〜3年に一度、春か秋に。根塊の魅力が引き立つように、少しだけ土上に。
- ひとこと:急がないこと。姫紅小松は、ゆっくり育つのが魅力です。
6. えんちょのひとことメモ

姫紅小松は、まるで時間を忘れさせてくれるような植物です。
毎朝ふと目が合うたびに、「きょうも、あわてなくて大丈夫だよ」と言ってくれる気がして。
塊根好きな方はもちろん、暮らしにやさしい静けさを取り入れたい方に、そっとおすすめしたい一鉢です。