アロエ 竜山 翡翠の小さなドラゴン

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アロエ 竜山とは

翡翠色の葉を幾重にも折りたたみ、夜明け前の山脈のように静かにそびえる――それが〈竜山〉の名を授かったアロエ・ブレヴィフォリア。寒気に触れると葉縁がバラ色に染まり、朝焼けを連れてくる小さなドラゴンの鱗のよう。野生では南アフリカの乾いた丘陵に自生し、希少ゆえ市場では“出会えたら幸運”と囁かれる存在です。

基本情報(分類・属名・原産地など)

科名:ススキノキ科(アロエ科)
属名:アロエ属
学名:Aloe brevifolia
流通名:竜山、ショートリーフアロエ
原産地:南アフリカ・ケープ州沿岸部
耐寒性:0 ℃前後まで(短時間なら−3 ℃)
特徴:直径15 cmほどのロゼットを重ね、旺盛に子株を吹いて群生する姿が魅力。

魅力とは?

葉は日差しに応じてブルーグレーからキャンディピンクへとグラデーションし、白く霞むトゲがレースの縁取りを添えます。春先にはロゼットの間から可愛らしい子株が顔を出し、まるで家族写真のように鉢を賑わせるのも“竜山ファン”を虜にするポイント。コンパクトながら存在感があり、寄せ植えの主役にも脇役にもなれる万能選手です。

香りと花

晩春、細身の花茎をすっと伸ばし、先端に並ぶ橙朱色の筒状花が小さなランタンの列を灯します。甘い蜜が微かに漂い、ハチや小鳥を招くこの光景は、静かな株姿とのギャップで観る者を驚かせるひと幕。花後に株はひと息つき、また青銀の鎧を磨くように葉を締めていきます。

育て方のコツ

:春秋はたっぷり、夏は40%ほど遮光し葉焼けを防止。
:土が完全に乾いてから鉢底から流れるほど与え、夏と冬は回数を半分以下に。過湿は根腐れのもと。
温度:0 ℃近くまでは屋外で粘れるが、霜が降りる地域では室内へ。
:水はけの良い多肉用配合土。2年に一度、春の植え替えで新しい用土にリフレッシュ。
増やし方:子株を外して挿し木感覚で簡単にクローンが取れるので、友人と“子ドラゴン交換会”はいかが。

えんちょのひとことメモ

朝露を纏った竜山は、まるでガラスの駒。「今日は少しゆっくりでいいよ」と囁くように輝きます。忙しい日こそ、窓辺で葉色の変化を確かめてみてください。小さな色彩のドラマが、心に立ち昇る疲れをそっと溶かしてくれますよ。

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この記事を書いた人

多肉植物の栽培を始め苦節九年当時、ストレスの多い現代社会に苦悩していた中....

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